結論:音楽と一生関わる道は、一つではありません
「演奏する人」になるだけが、音楽の道ではありません。教える、支える、伝える。関わり方はいくつもあります。そして、どの道でも土台は発声です。声の使い方を学ぶことは、すべての出発点になります。
この記事では、いろいろな関わり方と、長く付き合える楽曲を紹介します。
音楽と関わる、いろいろな道
音楽との付き合い方は、人それぞれです。たとえば、こんな道があります。
- 歌う — 合唱や独唱で、声を届けます。
- 教える — 学んだことを、人に手わたします。
- 支える — 演奏する人を、裏から助けます。
- 作る・選ぶ — 曲を選んだり、場をととのえたりします。
どれも、立派に音楽と関わる道です。一つに決めなくても大丈夫です。
どの道でも、土台は発声
道はちがっても、根っこは同じです。それは声の出し方です。
息の支え、のどを締めない発声、声をこわさない使い方。これらは、歌う人にも、教える人にも役立ちます。土台がしっかりしていれば、あとからどの方向にも進めます。
だから、まず発声の基礎を学ぶことが、長く音楽と関わる第一歩になります。
一生付き合える「版権切れ」の楽曲
長く関わるなら、たくさんの曲を知っておくと心強いです。なかでも版権切れの楽曲は、安心して使えます。
版権切れとは、作曲家が亡くなってから長い年月がたち、楽譜を自由に使える曲のことです。日本では、亡くなってから70年が目安です。
たとえば、こんな作曲家の曲があります。
- バッハ・ヘンデル — 重みのある宗教曲やアリア。
- モーツァルト — 明るく、歌いやすい曲。
- シューベルト — 歌曲(リート)の名作がたくさん。
- フォーレ — やわらかく美しい響き。
- 滝廉太郎 — 「荒城の月」など、日本の歌。
これらは、自由に楽譜を手に入れて練習できます。発声の基礎を学ぶ教材としても向いています。
楽譜を安全に手に入れるコツ
版権切れの楽譜は、信頼できる場所から手に入れましょう。
- CPDL(合唱の楽譜サイト)やIMSLP(クラシック全般)が定番です。
- 編曲した人が最近の人だと、その編曲には別の権利が残る場合があります。元の楽譜に近い版を選ぶと安心です。
確かな場所を使えば、あとから「使えなかった」と困ることが減ります。
教える道もある
音楽の関わり方の中でも、教える道は、年齢や経験が強みになります。
回り道や、うまくいかなかった経験も、生徒さんに寄りそう力に変わります。一度つまずいた人ほど、人の気持ちがわかるからです。
教えるときは、まず自分が声の土台を持っていることが助けになります。そして、版権切れの楽曲を知っていると、生徒さんに合う曲をすぐ選べます。学ぶことと教えることは、地続きです。今日学んだことが、いつか誰かを支える日が来ます。
なお、声を使う中で痛みや強い不調があれば、無理をせず専門の機関に相談してください。長く続けるために大切なことです。
まず、自分の道を整理してみましょう
どの道が合うかは、ひとりで考えても答えが出にくいものです。今の気持ちや状況を、いっしょに整理するところから始めましょう。
成果を急ぐ必要はありません。独りで悩まなくて大丈夫です。適性診断で、自分に合う方向を確かめてみてください。
よくある質問
- 演奏の経験がなくても、音楽の道に進めますか?
- はい。教える道や支える道など、演奏が中心でない関わり方もあります。どの道でも、まず声の基礎を学ぶことが土台になります。経験は、これから積めば大丈夫です。
- 版権切れの楽曲は、本当に自由に使っていいのですか?
- 元の楽曲は自由に使えます。ただし、最近の人が編曲した版には、その編曲の権利が残ることがあります。CPDLやIMSLPなど信頼できる場所で、元に近い版を選ぶと安心です。
- 歌うのが得意でなくても、教える側になれますか?
- なれます。教えるときに大切なのは、声のしくみを理解し、生徒さんに寄りそう力です。自分が完ぺきに歌えることより、相手の小さな変化に気づける力が役立ちます。
参考にした一次情報
- MUSEION 声楽用語事典(発声・共鳴の章)
- 版権切れ声楽データベース vocal_works(合唱・歌曲・童謡のレパートリー)
- CPDL(ChoralWiki)パブリックドメイン合唱譜カタログ
- IMSLP(International Music Score Library Project)

