独学で学んでから認定を取る順番

やり方ハル監修: 上野目 泰之3

ボイストレーナーに国の資格はありません。だからこそ、まず独学で土台を作り、それから認定で力を確かめる順番が、お金も時間もむだになりにくい進み方です。具体的な目安つきで道筋を示します。

結論:独学で土台を作ってから認定へ。この順番がいちばんむだが少ない

ボイストレーナーに、国(くに)が出す資格はありません。だから「資格を取れば名乗れる」のではなく、「学んで教えられるようになる」ことが入口です。

進み方はシンプルです。まず独学、つぎに教える練習、それから認定。この順で進むと、遠回りに見えて結局は早く着きます。

なぜ独学が先なのか

先に独学から入ると、お金も気もちもむだになりにくいです。理由は3つあります。

  • 声の仕事を本当に好きか、費用をかけずに確かめられる。
  • 基礎があると、あとで受ける講座の中身がぐっと分かりやすい。
  • 「何が分からないか」が見えて、質問が上手になる。

いきなり高い講座に申しこむと、土台がないまま進んでしまいます。まずは小さく始める。これがしくじりを減らすコツです。

独学の3週間でやること

最初の目安は3週間です。学ぶのは、声が出るしくみ。3つだけで十分です。

  • :声は、のどを通る息からできています。
  • 声帯(せいたい):のどの奥にある、声を作る二枚のひだです。
  • 共鳴(きょうめい):声を体の空間で響かせるはたらきです。

進め方の目安はこうです。

  • 1週目:図書館の発声・ボイトレ本を1冊読み、上の3つを自分の言葉でノートに書く。
  • 2週目:公的機関や学会のサイトなど、出どころのはっきりした解説で内容を確かめる。
  • 3週目:毎日5分、自分の声をスマホで録り、息・声帯・共鳴のどれが弱いか聞き直す。

なお、声を出すと痛い、声がかれて治らないなど強い不調があるときは、無理をせず耳鼻いんこう科などの専門機関へ相談してください。

つぎに「教える練習」をする

知識がたまったら、だれか一人に教えてみます。家族や友だちで十分です。

  • 学んだことを、自分の言葉で言いかえる。
  • 相手の声を聞いて、よい所を一つ伝える。
  • 「もっと大きく」ではなく、理由を添えて伝える。

進んでよい合図は、相手の質問に資料を見ずに2つ答えられたときです。ここまで来たら、独学の卒業です。

それから認定(講座)へ進む

土台ができたら、順を追って学べる講座や認定へ進みます。ここで初めて、伴走(ばんそう)する先生や仲間が生きてきます。

国家資格ではないので、どの認定も「民間の学びの証(あかし)」です。申しこむ前に、次の3点を確かめてください。

  • 中身が公開され、なぜそうなるかまで説明しているか。
  • 費用と期間が、申しこむ前に数字で分かるか。
  • 学び終えたあとも、相談や学び直しの場があるか。

順番を守れば、認定は「箔(はく)づけ」ではなく「力を確かめる場」になります。

歌がうまい人より、伝えられる人

声を学ぶと、自分の上達だけでなく、人に教える道も見えてきます。教える人に向くのは、すごく歌がうまい人とはかぎりません。

  • 相手の話をよく聞ける。
  • むずかしいことを、やさしく言いかえられる。
  • 小さな変化に気づいて、ほめられる。

こうした力は、独学と教える練習の中で少しずつ育ちます。「才能がない」とあきらめる前に、伝える力という別のよさに目を向けてみてください。

自分に合う一歩を確かめてみませんか

独学が先か、もう講座へ進む時期か。合う順番は人それぞれです。今の自分にどの一歩が合うか、適性診断でやさしく見てみてください。独りで悩むより、ずっと早く道筋が見つかります。

よくある質問

ボイストレーナーになるのに、国の資格はいりますか?
いりません。ボイストレーナーに国が出す資格はありません。だから「資格を取れば名乗れる」のではなく、学んで教えられるようになることが入口です。民間の講座や認定は学びの証として役に立ちますが、必ず取らないといけないものではありません。
独学はどのくらいやればよいですか?
まずは3週間を目安にしてください。1週目に本で息・声帯・共鳴の3つを学び、2週目に出どころの確かな解説で確かめ、3週目に毎日5分自分の声を録って聞き直します。だれか一人に教えてみて、質問に資料なしで2つ答えられたら、つぎへ進む合図です。
どんな認定や講座を選べばよいですか?
中身が公開され、なぜそうなるかまで説明しているかを見てください。費用と期間が申しこむ前に数字で分かること、学び終えたあとも相談や学び直しの場があることも大切です。国家資格ではないので、どれも民間の学びの場と考え、内容で選びましょう。

参考にした一次情報

  • MUSEION 声楽用語事典(発声のしくみの章)