声の高さは何で決まる?音高のしくみ

解説ケン監修: 上野目 泰之3

声の高さは、のどの声のひだが1秒に何回ふるえるかで決まる——そのしくみと、教えるときのコツをやさしく解説します。

まず結論:声の高さは、のどの「声のひだ」がふるえる速さで決まります

声の高さは、のどの奥にある声のひだ(声帯:こえを作るうすいひだ)が、1秒間に何回ふるえるかで決まります。たくさんふるえると高い声、ゆっくりだと低い声になります。これがわかると、生徒の声を「感覚」だけでなく「しくみ」で教えられます。

高い声と低い声のちがい

音の高さは、ふるえる回数(1秒あたりの回数)で変わります。回数が多いほど、音は高くなります。

  • 「ド」の音は、だいたい1秒に262回ふるえます。
  • 「ソ」の音は、だいたい1秒に392回ふるえます。
  • 半分の音(半音)上がるごとに、回数は6パーセントほどふえます。

つまり高い声を出すとは、声のひだをより速くふるわせることなのです。

どうやって速さを変えるの

声のひだは、3つのことが変わると、ふるえる速さも変わります。

  • のばす:ひだをのばすと、うすくなって速くふるえます。だから高くなります。
  • 力を入れる:ひだをピンと張ると、速くなります。
  • あつさ:ひだがあつく短いと、ゆっくりになって低くなります。

ギターの弦と似ています。細くピンと張った弦は高い音、太くゆるい弦は低い音です。

のどの中で動いている小さな筋肉

ひだをのばす役は、おもに「わじょうこうじょうきん」という小さな筋肉です。むずかしい名前ですが、はたらきは「ひだを引っぱってのばす係」です。

この筋肉がはたらくと、のどのなんこつが少しかたむきます。すると、ひだが前後に引っぱられてのびます。のびたひだは速くふるえ、声が高くなります。高い声の練習をすると、この筋肉も自然にきたえられます。

教えるときに役立つこと

「もっと高く」と言うより、しくみで伝えると生徒は動きやすくなります。

  • イメージで言う:「ひだをゴムのようにのばす」と伝えると、力みが減ります。
  • 見せて教える:チューナーのアプリを使うと、高さのズレが目で見えます。声を数字で見せると、生徒も納得します。
  • 低すぎる声に注意:いつも低くつぶした声で話すと、のどに負担がかかることがあります。話す高さを少し上げると、らくになる人もいます。

無理に高い声や低い声を出し続けると、のどがつかれます。痛みや強い不調があれば、まず専門機関へ相談してください。 教える人は「がんばらせる」より「らくに出せる高さ」を一緒にさがすと安全です。

声を教える仕事に向いているか気になった方は、適性診断で確かめてみてください。あなたに合う学び方が見えてきます。

よくある質問

声の高さは生まれつき決まっていますか。
もとの声の高さには個人差があります。でも、声のひだをのばす力は練習で育てられます。出せる高さの幅は、少しずつ広げていけます。
高い声がうまく出ません。どうすればいいですか。
力で出そうとすると、かえって出にくくなります。ひだをやさしくのばすイメージが役立ちます。低い音から少しずつ上げる練習が安全です。痛みがあるときは止めて、専門機関に相談してください。
チューナーのアプリは練習に使えますか。
はい、役立ちます。出している声の高さが数字や線で見えます。目で見えると、ズレに気づきやすくなります。生徒に見せながら教えるのにも向いています。

参考にした一次情報

  • MUSEION 声楽用語事典(音高の章)