ベルティングは、地声の力強さを保ったまま高い音を出す歌い方です
まず結論です。ベルティングとは、地声に近い太い響きのまま、高い音を出すための歌い方です。ミュージカルやポップス、ロックでよく使われます。サビで気持ちをぶつけるような、強くまっすぐな高音が出せます。やり方にはコツがあり、正しく学べば負担を減らせます。
どんなしくみで音が出るの
高い音は、ふつう裏声に切り替えると軽くなります。ベルティングは、そこをあえて太いまま出します。
- のどの中の「声を出すひだ」を、しっかり閉じます
- のどの位置を、下げぎみに安定させます
- 息でしっかり下から支えます
この三つがそろうと、高い音でも音量が出ます。声に芯が生まれ、客席までまっすぐ届きます。
ただ叫ぶのとは、ちがいます
力まかせに高い声を出すのは、ベルティングではありません。大声を張り上げるだけだと、のどに大きな負担がかかります。
ちがいは「支え」と「響かせ方」にあります。息で下から支え、口や喉の形を整えて、響きを通します。すると、少ない力でも大きく聞こえます。上手な人ほど、首や肩の力みが少なくなります。
はじめの練習の手順
いきなり高い音から始めないでください。順番が大切です。
- 低めの音で、話すような自然な声を出します
- その太さのまま、少しずつ音を上げます
- 「あ」や「お」など、口を開く音でのばします
- 録音して、自分の声を耳で確かめます
一段ずつ上げるのがコツです。痛みやつまる感じが出たら、すぐにやめてください。
教えるときに役立つこと
教える側がまず伝えたいのは「太さを保つ」という一点です。あれもこれも直すと、生徒は混乱します。一回の練習では、ねらいを一つにしぼりましょう。
- 「地声のまま、少しだけ上げよう」と声をかける
- 裏声の太いバージョンと聞き比べさせる
- 録音を一緒に聞き、変化を耳で確認する
進み方には、人によって差があります。早く出せる人もいれば、時間がかかる人もいます。あせらせないことが、長く歌い続ける力になります。
なお、のどは体の一部です。強い痛みや、こえがかすれて戻らないときは、無理をさせないでください。気になる症状があれば、耳鼻咽喉科など専門の機関への相談をすすめましょう。これは指導者として大切な配慮です。
ベルティングは「才能」ではなく、順番を踏んで学べる技術です。あなたに向いた声の使い方を知るために、まずは適性診断で確かめてみてください。きっと次の一歩が見えてきます。
よくある質問
- ベルティングは、のどに悪いですか?
- やり方をまちがえると負担が大きくなります。でも、息の支えと響かせ方を学べば、負担は減らせます。痛みやかすれが続くときは、無理をせず専門の機関に相談してください。
- 地声と裏声と、どうちがいますか?
- 裏声は高い音を軽く出す声です。ベルティングは、地声の太さを保ったまま高い音を出します。同じ高さでも、芯のある力強い響きになります。
- 初心者でもできますか?
- できます。ただし、いきなり高い音からは始めません。低めの自然な声から、一段ずつ上げて練習します。録音して耳で確かめると、上達しやすくなります。
参考にした一次情報
- MUSEION 声楽用語事典(発声技術(ベルティング)の章)


